2025.07.15
「Morrow珈琲 コラボイベント」を開催しました
nodoca /Morrow珈琲 コラボイベント 開催レポート
― Morrow珈琲とつくる私だけの一杯 ―
日時:6月18日水曜日 10:00~12:00
講師:Morrow珈琲オーナー 三宅淳司氏
6月18日、「Morrow珈琲」と、火のある暮らしを提案する料理教室やワークショップを行う「nodoca」のコラボイベントが開催されました。
ワインと等しいと言われるほど奥深いコーヒーの世界。地域の気候や植生によって味わいが変わる多様性を学び、自らブレンドしたコーヒーと焼き芋とのマリアージュまで楽しめる内容でした。
そこで、「Morrow珈琲」についてご紹介します。
「Morrow珈琲」は、コーヒーが苦手な人でも毎日飲めるやさしいコーヒーがある心地よい空間。そんな「Morrow珈琲」のストーリーは、今回の講師で店主の「三宅淳司(みやけ あつし)」さんが、コーヒー嫌いだったことから始まります。
大学卒業後、化粧品などの卸売業界に勤務していた頃、衝撃的な出会いがありました。お店をオープンする2年前のことです。
先輩に誘われて訪れた福岡市南区にある焙煎豆専門店「伽楽」で、理解を超えるほどの自家焙煎コーヒーの美味しさを感じ、そのままお店に修行したいと頼み込んだそう。独自の研究も重ねて、コーヒー嫌いでも飲める「Morrowブレンド」を生み出しました。
会社を退職後、2015年に福岡県小郡市に「Morrow珈琲」をオープン。コーヒーが苦手だったのに珈琲屋さんになった三宅さんは、現在43歳。小郡市と筑後市で2店舗を展開。いま「Morrow珈琲」のコーヒーは、ふるさと納税でもトップにランクインしています。
” Morrow”という名前には、「One More Tomorrow(もう一つの明日)」という想いから生まれました。一杯の珈琲が今日を変え、心を豊かにし、新しい明日につながる――そんな願いが込められています。
コーヒーについて学ぶ様子
イベントの内容は、コーヒーの知識を学ぶ座学から、「アフターミックスを自分でやってみよう!」というワークショップ。ブレンドは、焙煎前に豆を混ぜるプレミックスと焙煎後に混ぜるアフターミックスに分かれます。アフターミックスには、豆の個性とハーモニーを生かせる特徴があるとか。
私たちが普段飲んでいるコーヒーは、コーヒーの木に実る果実「コーヒーチェリー」の中にある種子を焙煎したもの。
コーヒーの味を決める3大要素は、生豆自体が持つ味70%、焙煎20%、淹れ方が10%という説明。赤道を挟んで南北緯25度付近の、コーヒーの栽培に適した熱帯・亜熱帯地域がコーヒーベルト。その地にある国々で栽培される豆の特徴を学びました。
焙煎によって変わる豆の色と艶
次に、焙煎について。
三宅さん 「皆さん 豆の雰囲気が違うのを見てください。生豆は肌色、黄色、緑色、色も香りも違います。焙煎は、浅煎りから中煎り、深煎りへと色と大きさが変化していきます。焙煎が深くなると体積が1.5倍になります。アイス用では1.6倍くらい。こげ茶色はコーヒーの油分が抜け出してくるから。深煎りは炭化が進み黒く光って、濡れているように見えますよね。浅煎りから深煎りへ、味わいも甘味から苦味へと変化しますが、豆の種類によって少し違う場合もあります」
そして、いよいよ自分だけのレシピをつくるアフターミックスに挑戦! ベースの豆を5割、サブの豆3割、スパイス的な役割を果たす豆2割など生豆と割合を選びます。
三宅さん 「1番好きなものを選んで、ポピュラーな苦みなどの味を加え2種から4種選んで。好きな味は多めにしてOK、合わせて100gにします。苦みや酸味、トロッとした質感など、人によって感じ方が違うと思います」
試飲してからシートに記入
それぞれ、ポットに入った6種類のコーヒーを試飲して決めていきました。
<豆の種類>
①柔らかい酸味と、フルーティーな甘味が広がる/ドンキーナチュラル/ウガンダ
②透明感のある味わい、すっきりとした飲み心地/ドンキーウォッシュ/ウガンダ
③キャラメルのような甘い香りとまろやかな甘みを感じる/キャラメラード/ブラジル
④ふわりと広がる華やかなアロマと上品な味わい/フローラルグレース/コロンビア
⑤香り高く、やわらかなコクとの絶妙なバランス/パプアニューギニア/バージンマウンテン
⑥芳醇な香り、深いコク、マイルドな甘みでバランスがとれた味わいのバリ島産コーヒー/神山 /インドネシア
三宅さん 「体調に合わせて飲んでくださいね。精製方法にウォッシュドとナチュラルがあるのですが、精製にも皆さんの好みがあると思います。熱くて飲みにくいものは1,2分冷ますと飲みやすくなります」
参加者さん 「ブレンドは味の印象が違うものを選んだ方が良いのですか?」
三宅さん 「そうですね。メインを決めて、個性的なものをスパイスで入れてみるなど、自由にやってみてください。美味しくなるものを選んできましたが、せっかくなのでプロが絶対やらない組み合わせにもチャレンジしてほしいですね」
コーヒーの淹れ方を細かく指南
さらに、三宅さんがハンドドリップでコーヒーの淹れ方を手ほどき。ちなみにコーヒーを淹れる水は、豆本来の風味を引き出す軟水で。
コーヒーの淹れ方(抽出方法)は、器具によって変化します。その上で、自分の好みに合ったコーヒーになるよう試して欲しいそう。今回は、ペーパードリップ。
ドリップの注意点は、お湯をたっぷり用意すること、最初に器具とカップを温めておくこと、粉とペーパーの境目にはお湯をかけないこと、抽出後は最後まで落とし切らないこと、以上の4点です。
まず、お湯でドリッパーを温めます。お湯は温度計で計ると味わいが安定します。85℃をベースに、苦みを出したい時には90℃、酸味を出したい場合は80℃くらい。そしてアイスコーヒーは、水出しにすると苦味がマイルドになり、おすすめです!
お湯を注ぐ際には、点滴のように少量ずつ、中心にゆっくりと落としていきます。円錐ドリッパーの場合は、中心に一点集中で注ぎ、お湯がドリッパー内を対流するように意識します。豆からガスが出るので膨らんできます。全体の蒸らしが長くなると苦みが出てきます。白い小さな泡はタンニンなどの苦み成分を含むので、なるべく下の抽出液に落ちないようにしていきます。一人分の豆の量は10gほど。土手にならず中心が平らになるように。
「ハンドドリップの魅力は、手軽なだけでなく、自分の好みに合わせたクオリティの高いコーヒーを自分でコントロールしながら淹れることができるところ」と、三宅さんは語ります。
好みのオリジナルブレンドコーヒーを淹れるところ
3つに分かれた参加者グループで、自分の好みのブレンドを淹れて飲み比べていきました。参加者の方々に感想をうかがいました。
参加者さん 「自分でつくってみて、『すごい上手!』と思いました。淹れ方のちょっとしたコツを教えていただいて、きちんとドーム型にして、こんなに美味しくなるなんて、本当にビックリです」
参加者さん 「ブレンドの良さがわかりました。一番個性的で苦手だったコーヒー豆を少し混ぜてみると、すごく飲みやすくてなって、イメージとは全然違いました」
三宅さん 「少量でもクセが強いものが入っているのがわかりますよね。1割でもスパイスとなって、その豆が生きてくるんです」
美味しい焼き芋とコーヒー
最後に、「Morrow珈琲」のメニューにもある、熊本県・阿蘇西原村で栽培された高鍋農園さんの、5か月以上熟成させた「紅琥珀スイート」を使った焼き芋とのペアリングを体験。
焼き芋はグリルでオーブン調理。食材の中までじっくり火が通り、仕上がりはとろける甘さとしっとり食感でコーヒーと相性が良さそう。火加減も自動でおまかせ。簡単・手軽においしい調理が楽しめます。
*自動調理:50分程度
「コーヒーには、豆を選ぶ楽しみ、淹れる楽しみ、飲む楽しみ、そして皆と共に飲む楽しみもある。それがコーヒーの一番の魅力」という言葉が印象に残りました。ホームページには、コーヒーの健康効果も掲載されています。
三宅さんが、本当に美味しいコーヒーと出会って大きく変化した価値観。それは豊かな生活と結びつくものだと感じます。参加者さん達の「私だけの一杯を見つけた体験」には、たくさんの笑顔がありました。
Morrow珈琲 https://www.morrowcoffee.net/