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2025.04.26

「チャレンジな基山DAY~チャレンジから始まる、チャンス~」を開催しました

3月1日(土)「昼」と「夜」の2部構成で『チャレンジな基山DAY~チャレンジから始まる、チャンス~』を開催しました。

 

 

第1部は 基山町の事業者を中心とした「チャレンジマルシェ」や「きやまかるた大会」など、家族で楽しめる内容で行いました。

 

第2部は「起業創業者座談会・交流会 」を実施しました。

 

テーマは「チャレンジとアントレナーシップ」。“地域での事業創造をもっと活性化していきたい”という想いとともに、小郡市「Morrow珈琲」店主の三宅敦司(みやけ あつし)さん、「大字基山」の編集長江藤裕子(えとう ゆうこ)さん、「株式会社JICU」取締役の橋本智之(はしもと ともゆき)さんをゲストに迎え、一般社団法人遊休知美 代表理事の織井敬太郎(おりい けいたろう)さんがファシリテーターを務め、地域で起業したい人へ向けたトークセッションやワークショップ、交流会を行いました。

参加者は、佐賀県基山町や太宰府市、筑紫野市、太宰府市、小郡市など地域を超えて、起業したい人、起業を始めたばかりの人など。ゲスト・スタッフ含め40名以上のローカルで新たなチャレンジを始めたい人達が集まりました。

 

ワークショップ

ワークショップで取り上げたのが、金融資本、社会的資本、物質的資本、生命資本、知的資本、経験資本、精神的資本、文化資本の「8つの資本」です。私たちが生活するローカルなエリアだからこそ持つ資本を見つめ直すことで、この街でのユニークな事業創造を考えようというのが狙いです。

ワークショップでは6つのグループに分かれ、まず地域について考え、それぞれの意見を話し合いました。ディスカッションを進めるなかで、「偏見かも知れないけれど、佐賀は新しいものに対して臆病だと感じる」「周りをうかがって足並みを揃える」「保守的」「人を呼び込む力があるのに魅力を伝えられていない」などの意見。一方で、「飛鳥時代に、大宰府防衛のため築かれた日本最古の朝鮮式山城、基肄城(きいじょう)など歴史がすごい」「基山には山寺が多い」という基山町の魅力に関する意見もありました。

ウェブマガジン「大字基山」編集長の江藤さんは、「地域の課題を感じてウェブサイトを立ち上げた」といいます。

「福岡市出身で地域のことを知らなかったのですが、子育てを通して知っていったという感じですね。基山町には産婦人科がないのが一番のカルチャーショックでした。子育てから、口コミに頼らなくてはいけなかったんです。

事業の立ち上げは、まず自分のために初めたのですが、情報を共有することで暮らしを豊かにしたいという思いがありました。広告代理店に勤めていたので、ちゃんとした取材ができて発信できるというスキルがあります。これから起業する方も自分の経験とスキルを生かして地域課題へアプローチしていくのが良いのではないでしょうか」

さらに、同じグループでブレストを続けていきました。

 

各グループで「外から来た人へ、どうしたら喜んでもらえるのかを考えてみては」「収穫体験もコミュニティも今の大都市圏ではできない」「人と人とのつながりはデジタル発達によって、都市と地域の優位性が逆転する可能性もある」など起業に対するヒントが話し合われていました。

また、「基山町や筑紫野地域は宿泊施設が少ない」「夜閉まる店が多い。太宰府は昼間は観光で人が来て、夜博多へ行くんです」「二日市は居酒屋ばかり」という地域課題について。そして「山を独り占めするような体験は東京ではできない」という地域の良さを体験して欲しいという意見もありました。

 

その他にも、ワークショップでは様々な意見を参加者に発表していただいたのでその一部をご紹介します。

チャッピーさん(参加者呼称):「筑紫野市は子どもの居場所がないですね。大人から子供まで集まれる場所、コミュニティづくりを事業としてできるのではないかと思います」

織井:「nodocaはまさしくコミュニティづくりのための空間としてつくられているので、有意義に活用できそうですよね」

サチさん(参加者呼称):「地域の魅力を伝える情報発信は、ローカルならではの具体性がある内容だととても有益だと感じました。nodocaを運営している筑紫ガスさんも地域のお店をたくさん紹介されていますよね。その点では、このメディアでしか知ることができない内容が多くて、こういった信頼度の高いものが求められているのではないかと思います。」

橋本氏(ゲスト):「人とのつながりは大事だと感じています。大学卒業後、基山へ戻ってきました。大学では水の勉強をしていたのですが、災害が起こる度に水の大切さを実感しました。水源があり農作物があれば人は死なないんですよね。農業に関わると、良いものをつくっているのに売れないという課題にぶつかります。農業経営がうまくいかないことと後継者不足は、地域メーカーや農家さんの課題です。良いものをつくっている生産者さんを応援したい。そこで、地域企業の持続的な成長を支えるために、コンサルティングをやっているんです!今は地域のお金がまわるように、物々交換の事業にチャレンジしています。マネタイズどうするんですか?とよく聞かれますが、食べ物をもらっているから大丈夫なんです(笑)

農家さんとつながりたいデザイナーさんをマッチングしたり、地域資源があるからこそできます。地域には、アイデア次第でチャンスがたくさんありますね」

ゲストからの講評

三宅氏:そこの地域に根付く“人”を見極めることも大事ですよね。どんな人が住み、どんな家があるのかなど。そして、「8つの資本」を一つずつ捉えるだけではなく、組み合わせて見えてくることもありそうです。資本を掛け算しても良いと思います!

そして何より、継続していかないといけないですよね。そのためには資金繰りが一番大切。事業が成り立つ裏には資金を獲得できる理由がある。それは社会的資本かもしれないし、自分の経験、精神的資本かもしれない。それぞれが自分の持ち味を生かしていくことが良いと思います。

橋本氏:今まで「8つの資本」という視点でプロジェクトを考えたことがなかったです。基本的には課題意識から事業をスタートしていました。今回、8つの資本のどこが足りていないのか考えてみると面白いなと感じました。そうすると、「あ、その資本がないから創ると喜ばれるかも」という気づきにもつながるかもしれません。「8つの資本」という視点を持つことで、イベント企画の考え方や、地域での経験がどう役立つかなど、自分自身のアクションをブラッシュアップしていくツールになりそうだと感じました。

皆さんも、8つの資本の中で、ビビッときたものがあったのではないでしょうか。自分の経営の強みを見つけて成長させたり、お金だけでなく、違う資本を考えたりしたりしながら、継続的に続けていく方法を探求してください。

織井氏:遊休知美でも元から「8つの資本」を原点にプロジェクトを考えたわけではないけれど、振り返ってみると地域資本を生かすという観点で共通することが多々ありました。

例えば、NiGHT UP(ナイトアップ)というプロジェクトは、太宰府が持つ固有の資産として歴史建造物や地域の伝統行事、子どもと大人の交流があることに気づいたことがきっかけでした。お金はないけれど、そういった文化資本であったり僕たちを応援してくださる方々との関係性(社会資本)などさまざまな資本がありました。立ち上げた2020年は、コロナ禍で太宰府に観光客がまったく来なくなった時だったということもあり、だからこそ逆転の発想で参加型・体験型のイベントからムーブメントが起こせるのではと考え、企画しました。まず文化的資本を見出し、課題解決を考え、生まれたものなんです。

皆さんの周りにある資本をどう生かせるか。そこに独自性が生まれ活路が開くかもしれません。

質疑応答

新たなチャレンジをする上での悩みに対して質疑応答を実施。一部をご紹介します。

Q:小料理屋をやりたいのですが、何から始めたら良いでしょうか。

A:まずは自分に何ができるのか、どこにニーズがあるのか。書き出してみると、客観的で具体的にやることが見えてくると思います。目的、目標、ビジョンへゴールを決めることを楽しみながらやってみては。

Q:会社で民泊をやっています。太宰府は観光地で有名ですが、食べ物が多い。それに代わる価値を考えています。また、ホテルも建設予定で何を目的にしたら良いと思いますか

A:個人的な意見ですが、子どもに体験してもらう観光があればいいなと思います。この地域では、古事記の世界を知ることもできますよね。子供たちは太宰府や基山の歴史を学んでいるので、そこを広げていくようなイベントの提供などどうでしょうか。(橋本氏)

 

懇親会

イベントの後半はお酒を片手にワイワイガヤガヤとフリーで交流する機会を設けました。参加者同士が楽しみながらコミュニケーションを取り情報交換や名刺交換を行ったりと、チャレンジには欠かせない「横の繋がり」が生まれました。

また、一部の参加者の方には「今後の意気込み」をフリップボードに書いていただきました。

アンケート結果・その他

12名の方からアンケートの回答をいただきました。

<イベントの雰囲気や運営について>

 ・素敵な会場、温かい雰囲気作りで、良かった

 ・こういうイベントは初めてでしたが楽しめました

 ・和やかな場所・雰囲気でとても楽しいひと時を過ごせました!

 ・学びの多い有意義な時間を過ごすことができました。

 ・さまざまな起業イベントに参加することが多いですが、地方ならではの温もりを感じました。

 ・ビジネスっぽくないブランディングや空気づくりも溶け込みやすかったです。

 ・地域を愛する方々との出逢いの場を提供していただき感謝しております。

 ・気軽に話せて雰囲気もよかった

 ・和やかな雰囲気で楽しく過ごせました。ゲストの方々もフランクな雰囲気で親しみを持てましたし、参加者の方々も皆さん意識高くあられるようで、とても良い勉強になりました。

 ・少人数だったので、グループ替えをするなど全員と言葉を交わせるとより一体感が出て、打ち解け、全体の雰囲気も良くなるのでは?と感じた。

 ・1人で経営、となると、つい独りよがりになりがちですが、色々な分野の方と話をするとパッと目の前が開けたような気持ちになりました。

 

最後に・・

『チャレンジな基山DAY~チャレンジから始まる、チャンス~』にご参加いただきありがとうございました。今後も、地域活性化に貢献できるようなイベントを計画し、地域の皆様方と共に歩んでいきたいと考えています。関わって下さったすべての方々へ感謝申し上げます。